歴史的価値

骨董品の価値は、その品物が生まれた時代や歴史的背景と深く結びついています。例えば、戦国時代に作られた刀剣は、当時の武士の技術や精神性を反映しており、歴史的な意義が高く評価されます。さらに、明治維新後の廃刀令により多くの刀剣が処分されたため、現存する戦国時代の刀は特に希少価値が高まっています。

希少性

骨董品には、同じ作家や同じジャンルだとしても、「生産数が少ないもの」「現存数が限られているもの」は、希少価値が非常に高まります。

代表的なものになると、江戸時代の錦絵版画（浮世絵・木版画の一種、多版多色刷り）があり、初版が残っているものは極めて少ないため、数百万円以上で取引される場合もあります。また、中国・清時代の陶磁器は希少価値が高いため国際市場でも人気が高く、購入時の金額を上回ることがあります。

美術的価値

骨董品の美術的価値は、歴史的背景・技術的精巧さ・芸術性の三要素によって評価されます。時代ごとの美的感覚や職人の技術が反映された作品は、文化的遺産としての価値が高まり、希少性が増すことで市場価値も向上します。特に、名工の手による作品や保存状態が良好なものは、高額で取引される傾向があります。

骨董品の特殊機能

骨董品の中には、単なる装飾品や美術品としての価値だけでなく、実用性や特殊な機能を持つものもあります。例えば：

• 仕掛けが施された茶道具：茶碗や棗（なつめ）には、温度変化によって色が変わる釉薬が使われることがある。
• 隠し機能を持つ武具：江戸時代の短刀には、護身用として目立たない形状や仕掛けが施されたものも。
• 印籠（いんろう）：薬や印を収納できる携帯用小箱で、実用性と装飾性を兼ね備えた工芸品。
• 螺鈿細工の家具：貝殻を用いた装飾だけでなく、光の反射を活かした美観効果を持つ。
• 西洋アンティーク時計：複雑な機械式ムーブメントを搭載し、天体の動きやカレンダー機能を持つものも。

このように、骨董品の中には単なる美術品にとどまらず、機能性や独自の仕掛けを持つものが多く、そこにコレクターや鑑定士の関心が集まるポイントがあります。